病院の先生方、地域連携を担当される皆さまへ

私たちは、患者さんをご紹介いただくこと自体を目的にしているのではありません。

大切なのは、その患者さんにとって、どのような療養環境と医療の組み合わせが望ましいのかを一緒に考えることです。

在宅療養を希望されているものの、医療上の課題から退院先の調整が難しい患者さん。

自宅での生活を続けるために、一時的に医療の密度を高める必要がある患者さん。

終末期を迎え、ご本人の希望と病状に応じた療養の場を検討されている患者さん。

そのようなケースについて、患者さんの病状、必要な医療、受け入れ体制を個別に検討し、対応の可能性をご相談します。

すべての医療に対応できるわけではありません。しかし、できることとできないことを明確にし、責任を持って対応できる範囲を考える。

それが、私たちが病院の先生方と共有したい姿勢です。

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①自宅での生活を支えるために、医療の選択肢を増やす。

ドクターホームは、患者さんを自宅から遠ざけるための場所ではありません。

『患者さんが自宅で生きるという選択肢を守るために、私たちがあらかじめ用意しておく場所です』

私たちはこれからも、患者さん一人ひとりに必要な医療と、その方らしい生活の両方を大切にしながら、病院と地域をつなぐ臨床に取り組んでいきます。

 私たちは、医療を提供する場所から考えます。

②ドクターホームという、もう一つの選択肢。

在宅医療において、私たちが大切にしているのは、あらゆる医療行為を自宅で行うことではありません。

患者さんが望む生活をできる限り守りながら、その時々に必要な医療を、安全性と質を担保できる環境で提供すること。

そのために、私たちは「ドクターホーム」という場所を用意しています。

・すべての医療を、自宅で行う必要はない。

例えば、白血病などの血液疾患では、病状に応じて赤血球輸血、血小板輸血、FFP(新鮮凍結血漿)などが必要になることがあります。

しかし、輸血は、単に血液製剤を投与すればよいというものではありません。患者さんの病状や全身状態を評価し、輸血に伴う有害事象を想定し、必要な観察と緊急時の対応を含めて計画する必要があります。

私たちは、こうした医療を実施する際、患者さんの安全と医療の質を第一に考えています。

そのため、当院では輸血を伴う医療について、原則として当日、もしくは1泊以上のドクターホームでの実施を基本としています。必要に応じて心電図モニター監視下にて施行します。AEDの準備も整えています。十数名の各ドクターが一律に対応できるよう体制を常時整えています。

自宅で実施できるかどうかだけを基準にするのではなく、【責任を持って安全に実施できる環境を整えられるかどうか】

それが、私たちの判断の基準です。

・ 医療の質は、医療行為だけでは決まらない。

適切な医療を提供するためには、医師の技術や経験だけでなく、患者さんの状態に応じた観察体制、必要な医療機器や薬剤、急変時の対応、そして医療を支えるスタッフの連携が必要です。

私たちは、必要な医療を提供する場所と体制をあらかじめ考え、整えることも、臨床医の責任の一部だと考えています。

どこであっても同じ医療ができると考えるのではなく、その場所で何ができ、何に備える必要があるのかを見極める。

患者さんを受け入れることだけを優先するのではなく、受け入れた後に何ができるのかまで考える。

それが、私たちの医療に対する姿勢です。

・ドクターホームは、病院と自宅の間にあるICUをそのコンセプトに取り入れた施設です。

ドクターホームは、病院の代わりになることだけを目的とした施設ではありません。

また、患者さんに長期間滞在していただくことを前提とした場所でもありません。

例えば、病状に応じた輸血などの医療を行うために、1日、2日といった短期間の滞在が必要になることもあります。

必要な医療を受け、全身状態や療養環境が整えば、再び自宅での生活に戻る。

一方で、病状やご本人・ご家族の希望によっては、そのまま終末期まで支えることもあります。

私たちは、最初から滞在期間や療養の形を一つに決めるのではなく、患者さんの状態と希望に応じて、その先の選択肢を考えます。

③自宅か、病院か。その二つだけではない選択肢をつくること。

それも、私たちがドクターホームを運営する理由の一つです。

・私たちが目指しているのは、自宅で生きるという選択肢を守ること。

私たちの基本は、あくまでも在宅医療です。

患者さんが住み慣れた自宅で生活できるのであれば、その生活を支えたいと考えています。

その一方で、自宅では安全な実施が難しい医療が必要になったとき、すぐに入院という選択肢しかないのでしょうか。

私たちは、その間にある可能性を考えます。

必要な医療を提供できる環境を用意することで、自宅での生活を再び目指せるかもしれない。

あるいは、残された時間を、その方に合った環境で過ごせるかもしれない。

もちろん、すべての患者さんが自宅に戻れるわけではありません。病状によっては、病院での治療や入院が最善となる場合もあります。

だからこそ、患者さんごとに何が必要なのかを考え、医療機関とも連携しながら、適切な療養の形を選んでいきます。