- 2026年6月17日
- 2026年9月29日
【バトンを受け取った日】
今日は嬉しい一日だった。
ある患者さんをお見送りした。
病院も、ご家族も、私たちも、
皆それぞれに悩みながら歩いた時間だった。
退院が決まった時、
本当に自宅で良かったのだろうか。
病院の先生も、
ソーシャルワーカーさんも、
看護師さんたちも、
きっとそう思っていたはずだ。
そして私もまた、
受け取ったバトンを最後まで繋げることができるだろうかと思っていた。
患者さんは亡くなられた。
でもその最期は穏やかだった。
私は最後まで超音波を当て、
起きていることを見つめ続けた。
そして今日、
病院の皆さんに経過を伝えた。
すると看護師さんたちが涙を流しながら、
「本当に良かった」
と言ってくれた。
あの言葉を聞いた時、
私は改めて思った。
在宅医療とは、
患者さんを奪いあうことではない。
病院から人生のバトンを受け取り、
最後のページを書き、
そしてその物語を病院へ返すことなのだと。
今日、
私は自分らしい医療ができたと思う。
それが何より嬉しかった。
もし明日すべてを失ったとしても、
今日という日は、
私の中に静かに残り続けるだろう。
