- 2026年10月14日
- 2026年10月20日
痛みを取ることと、意識を保つこと
その方には、持続的な鎮痛薬が使われていました。
本人は、
「もっと痛みを取ってほしい」
と訴えていました。
一方で、ご家族には、
「できるだけ意識を保っていてほしい」
という思いがありました。
これは、どちらが正しいという話ではありません。
患者さんには、痛みのない時間を過ごしたいという希望がある。
家族には、最後まで話をしていたいという希望がある。
終末期医療では、こうした二つの願いがぶつかることがあります。
だから私は、
「痛みを取ること」と「その人らしさを取り戻すこと」は、同じではない、
と考えるようになりました。
痛みが取れれば、それだけで十分なのではない。
眠ってしまえば、それだけで苦痛がなくなったとは限らない。
逆に、意識が保たれていることだけが、その人らしさでもありません。
その人自身が何を望んでいるのか。
そこを確認し続ける必要があります。
